CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。
一般外科症例

橈尺骨骨折(橈骨・尺骨骨折)

目次


骨折について


骨折は部位や年齢により治療が異なりますが、最も強固かつ確実な固定はプレート・スクリュー・ピンによる内固定です。プレートやスクリューには様々な種類、サイズや形状があります。症例に合わせて、綿密な術前計画を立て手術を行う必要があります。近年ではロッキングシステムという新しいプレートスクリューを用いることも増えてきています。



橈尺骨骨折について


近年、小型犬が増加しているのに比例して橈尺骨骨折が増加しています。橈尺骨骨折にはプレートを2枚入れる方法を用います。2枚入れることで強度を増すことができプレートの破綻を防止できます。また、1枚ずつプレート抜去が可能であるため、ある程度骨が固まってきたら1枚抜去し、さらに骨化を促進し、もう一枚抜去するという方法が可能です。そうすることで癒合不全(骨化が遅れること)を防止し、プレート抜去後の再骨折のリスクを減らすことができます。



橈尺骨骨折の実際の症例


イタリアングレーハウンドの橈尺骨骨折です。2.0mmスクリューを使用しています。
トイプードル9歳の橈尺骨骨折です。1.5mmスクリューを使用しています。
トイプードル2歳の橈尺骨骨折です。1.5mmスクリューを使用しています。
上の3症例ともにやや中央寄りの先端部の橈尺骨の横骨折(遠位骨幹部橈尺骨横骨折)です。直線のプレートを使用しています。
ポメラニアン半年齢の橈骨尺骨骨折です。1.3mmの超小型スクリューを使用しました。
上の4症例はやや中央寄りの先端部の橈尺骨の横骨折(遠位骨幹部橈尺骨横骨折)です。直線のプレートを使用しています。
チワワの橈尺骨骨折です。1.5mmスクリューを使用しています。
体重約1kgの2歳のティーカッププードルで、超小型の1.1mm径スクリューを使用しました。
2症例ともに橈尺骨遠位端骨折です。骨折端が短すぎて直線のプレートが入らない(スクリューを3本入れる必要があります)ため、正面にT字型のプレートを使用しています。


執筆担当:獣医師 磯野 新