CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

急性腎障害と血液透析について

腎臓の機能は体に不要となった老廃物や毒素を尿として排出することです。
急性腎障害は中毒や感染症などの様々な原因により腎臓が急激に障害されて尿が作れなくなる病気です。尿が作れなくなると体の中に老廃物が蓄積していき、体の機能を正常に保つことができなくなり、最悪の場合死に至ります。静脈点滴と排尿を促す薬を投与する内科療法が一般的ですが、治療に反応が悪いこともあります。そこで当院では、そのような症例に対して血液透析を行うことがあります。今回は急性腎障害の症例で血液透析を行いましたので報告させていただきます。

症例は雑種猫、避妊メス、10歳で、突然の元気消失を主訴に紹介元病院を受診しました。
血液検査上で腎数値の異常が見られ、排尿は確認されず、何らかの中毒による急性腎障害を疑い入院下での内科療法を開始しました。3日間の内科療法を行うも腎数値は悪化していき、排尿もありませんでした。そこで血液透析を希望して当院に来院されました。

動物の血液透析は専用のカテーテルを首に設置して行います。首のカテーテルから血液を抜いて、ダイアライザーという装置で老廃物や中毒物質を取り除いてから返却します。
老廃物を一気に取り除くと副作用が強く出てしまうので、数日間かけてゆっくりと行います。
今回の症例は血液透析を4日間行い、3日目に排尿が確認されました。その後は静脈点滴のみで腎数値が低下して行ったので、血液透析を終了としました。
急性腎障害の治り始めは大量の尿が出るので、排尿が確認された後も脱水を起こさないようにしばらくの間、静脈点滴が必要になります。この症例も1週間程静脈点滴を行った後退院しました。現在は腎数値も落ち着いていて、経過を観察しています。

急性腎障害は内科治療の反応が悪く、非常に致死率の高い病気です。内科治療を行っても腎数値が引き続き悪化する場合は血液透析を検討しても良いかもしれません。もし血液透析を希望する場合はお気軽にご相談ください。