CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

特発性膀胱炎

猫の特発性膀胱炎についてお話しします。

尿路とは尿が造られて体外に排出されるまでの経路のことを言います。
具体的には腎臓・腎盂・尿管・膀胱・尿道のことを指します。

特に腎臓・腎盂・尿管を上部尿路、膀胱・尿道を下部尿路と言います。

血尿、頻尿、排尿痛、排尿困難などの症状は下部尿路の症状として認められます。
猫ではこの下部尿路で認められる症状を示す疾患を総称して猫の下部尿路疾患と呼びます。

猫の下部尿路疾患を示す原因としては、尿石症・尿路感染症・尿路腫瘍性疾患などがありますが、その中でも10歳以下の猫の下部尿路疾患は、約60%が特発性膀胱炎が原因と言われています。

特発性膀胱炎の原因は明らかになっておらず、さまざまな身体的・環境的な要因が報告されています。

急性発症の治療は対症療法のみで一般的には1週間以内に改善することがほとんどです。

慢性、再発性の特発性膀胱炎の場合は完全な症状の改善は難しく、発症回数を減らすことが治療の目標になります。

環境改善はトイレの改善が主体となります。トイレが嫌いな猫は排尿を我慢することにより蓄尿時間が長くなるため発症・悪化要因となります。トイレが嫌いな猫は排泄の前に砂をかかない、排泄の後埋めない、トイレから逃げる、トイレの淵に立つなどの行動が見られます。
猫のトイレは頭からお尻までの距離の1.5倍くらいが好ましく、システムトイレよりも細かめの猫砂が良いです。場所はプライバシーがあり、邪魔が入らず、夜中に真っ暗にならない場所に設置します。数は猫の飼育頭数+1個設置し、トイレが複数ある場合は離れて設置する方が望ましいです。

その他の環境改善としては、個人の安心できる場所を用意する、十分に遊ばせる、3次元運動ができるようにする、庭やベランダなどの屋外に出られるようにすることが挙げられます。

そのほかにも食事療法や水分摂取量の増加、フェロモン療法薬物療法があります。
詳しくはかかりつけの動物病院でご質問ください。


執筆担当:獣医師 三浦 篤史
東京都中野区江古田4-37-4 TEL:03-5942-5855
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