CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

犬のワクチチェック

犬のワクチチェックについてお話しします。

免疫は体の中に入ってきた細菌やウイルスなどを排除するためのシステムです。
免疫は大きく自然免疫と獲得免疫に分けられます。

自然免疫とは体に侵入した体内に侵入した細菌やウイルスととにかく早く戦うためのシステムです。
生まれつき持っている免疫反応であるため自然免疫と呼ばれます。

それに対して獲得免疫とは、自然免疫で倒しきれなかった細菌やウイルス、腫瘍細胞などと戦うためのシステムです。
自然免疫から敵の弱点を教えてもらい(抗原提示)、その弱点にあった武器を作り、その敵に合わせた戦い方をします。

獲得免疫を担うのがリンパ球で、B細胞とT細胞に分けられます。
B細胞は抗体を産生します。抗体は血流に乗って体液中の敵を攻撃するため「液性免疫」と呼ばれます。T細胞はウイルスに感染した細胞や腫瘍細胞を攻撃するため「細胞性免疫」と呼ばれます。
ワクチンとは、感染症の原因となるウイルスや細菌などの病原体の毒性を弱めるまたは無毒化して体に投与するものです。
体は一度入ってきた病原体の形を記憶して獲得免疫を持ちます。そのため実際にその病原体が体に入ってきた時にすぐに戦うことができ、発症や重症化を抑える効果があります。
犬のワクチンにはコアワクチンとノンコアワクチンがあります。
コアワクチン:世界的に重要な感染症に対するもので、接種が世界的に推奨されている。
ノンコアワクチン:流行地域のみ推奨されている。

コアワクチンの種類
・アデノウイルス
・パルボウイルス
・ジステンパーウイルス

ノンコアワクチン
・パラインフルエンザウイルス
・コロナウイルス
・ボルデテラ菌
・レプトスピラ菌

ちなみに狂犬病ワクチンは、狂犬病予防法で接種が義務付けられたワクチンです。
コアワクチンに分類されるものは致死率の非常に高い感染症ですが、ワクチンの普及により世界的に減少傾向になり、日本においても臨床の現場で遭遇することはまれです。
それに対しワクチンの副作用は多く報告されています。

さらにワクチンによる免疫のつきかたには差があります。
ワクチン摂取後免疫が1年も保たない子もいれば、3年以上持続する子や生涯持続する子がいます。
免疫がまだあるのに定期的にワクチンを打つことは過剰摂取になる可能性があり、副作用のリスクもあります。

この過剰摂取を避けるために行う検査がワクチチェックです。
ワクチチェックは血液中のコアワクチンのウイルスに対する抗体を測定する検査です。
抗体が存在すればコアウイルスに対するワクチンは打たないという判定になります。

ワクチチェックのデメリットは
・ワクチンと同等の費用がかかる
・結果が出るのは翌日以降で、ワクチンが必要な場合再来院が必要
・ノンコアワクチンは測定できないため、感染リスクがある場合ワクチンは必要となる
などが挙げられます。

ご興味のある方はお近くの動物病院までお問い合わせください。

執筆担当:獣医師 三浦 篤史
東京都中野区江古田4-37-4 TEL:03-5942-5855
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