CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

犬と猫の血液透析

動物における血液透析についてお話ししたいと思います。

血液透析とは動物から血液を取り出してダイアライザーという装置で浄化し、体に戻す治療法のことです。
体の中の老廃物は腎臓から排泄しますが、腎臓の機能が低下し老廃物を排出することのできなくなった時に血液透析を行います。

人の慢性腎臓病で定期的に血液透析を行う場合、動脈と静脈を吻合して太い血管を作り出し、そこに針を刺して行います。
しかし動物では動静脈吻合の技術が確立しておらず、頸部にカテーテルを挿入してそこから血液を取り出します。
人工物は長期的に入れていると感染症を引き起こしたり、血餅により詰まってしまうため、長期的に血液透析を行うことはできません。そのため、動物において血液透析は、急性腎障害や中毒などの急性で一過性の病態のみ適応となります。
頸部に挿入されたカテーテル
急性腎障害とは腎機能が数時間から数日という短い期間の間に急激に低下し、尿を作ることができなくなり、体の中に尿毒素が急激に溜まっていく病気で、数日から1週間以内に亡くなることも多い緊急性の高い病態です。この時腎機能が回復するまでの間、体の恒常性を維持するために行われる治療が血液透析となります。

写真は実際に血液透析を受けている猫ちゃんの様子です。
急性腎障害により無尿となり、内科的な治療を行っても排尿が認められなかったため血液透析を行うこととなりました。
約2週間血液透析治療を行い、尿が出るようになり無事退院となりました。
血液透析を受けている様子。
退院1ヶ月後の様子。とても元気そうです。
より詳しく知りたい方は私の運営する「犬と猫の血液透析」をご覧ください。

執筆担当:獣医師 三浦 篤史
東京都中野区江古田4-37-4 TEL:03-5942-5855
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