CASES エキゾチックアニマル症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

モルモットの乳腺腫瘍(乳腺癌)

目次


モルモットの乳腺腫瘍ついて


モルモットの乳腺の個数は、雌雄ともに左右1つずつ(1対)であり、鼠径部に位置しています。

実はモルモットは乳腺腫瘍の発生が多く認められ、メスよりもオスでの発生が多いのが特徴です。
特にオスでできてしまう乳腺腫瘍は、多くが悪性の「乳腺癌」であると言われています。

モルモットは身体が小さいため、血液検査や画像検査が制限され、転移による他臓器への影響については、詳細な評価が難しいです。
そして、細胞診の検査などで悪性・良性の判断を下すのが困難なことも多いです。



モルモットの乳腺腫瘍の実際の症例


今回ご紹介する症例は6歳、オスのモルモットであり、少し前から元気食欲が低下し、同時に下腹部にしこりを見つけ、増大傾向とのことで来院されました。
下腹部のしこりは皮膚にできており、大きさは3cmくらいありました。 赤矢印の部分が左乳腺です。
モルモットの乳腺疾患は、細菌感染による乳腺炎、乳腺過形成、乳腺腫や乳腺癌などの乳腺腫瘍が発生します。

鑑別のために細胞診の検査を実施したところ、乳腺腫瘍の可能性が考えられましたが、悪性か良性かの判断は困難でした。細菌感染は認められないとのことでした。
腫瘍の内部には血様の液体が多量に溜まっていました。

現在、歩きづらそうにしているなどの運動障害も出ていることから、6歳と高齢ではありましたが、飼い主様と十分に相談の上、手術にて切除をすることになりました。

↓↓(術中の写真を載せます。苦手な方はご注意ください。)↓↓


手術のときの写真です。
切除した腫瘤の写真です。
術後は全身麻酔からも問題なく覚め、元気に退院していきました。



モルモットの乳腺腫瘍は悪性の乳腺癌であれば、急速に増大し、自壊してしまうことも多いです。
周囲のリンパ節へ浸潤することはありますが、遠隔転移はまれであると言われており、適切な外科手術により良好な経過をとります。

何か異変を感じた場合にはご相談ください。


執筆担当:獣医師 岩崎 真優子