CASES 症例紹介
ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。
一般外科症例

腹腔鏡下膀胱結石摘出

犬と猫の膀胱結石ではストラバイトとシュウ酸カルシウムという2種類の結石が大部分を占めます。
(左)シュウ酸カルシウム (右)ストラバイト
犬猫ではこの2つの結石の発生が多い。

通常膀胱結石は、石による刺激により膀胱炎の症状(頻尿、血尿、痛みなど)を示しますが、無症状のこともあります。
膀胱結石の症状がひどい時は痛みでご飯を食べなくなることもありますが、すぐに命に関わるものではありません。
しかし膀胱結石が尿道に落ちてきてしまうことがあります。
犬・猫に関わらず、メスは尿道が太くて短いので結石が詰まりにくいですが、オスは尿道が細くて長いため結石が詰まりやすいです。
結石が尿道に詰まった場合は排尿ができないために急性腎障害になる可能性があり、その場合は命に関わります。
そのため膀胱結石が認められ、症状がある場合や尿道に詰まる危険性がある場合は摘出を行うことが望ましいです。
雄猫の膀胱結石および尿道結石。排尿障害により急性腎障害を呈していた。

膀胱結石の手術は、通常開腹して膀胱から結石を摘出します。
開腹手術では膀胱を体外に引き出すために大きく開腹し、結石を摘出するために膀胱も大きく切開する必要があります。

そこで当院では、腹腔鏡を用いた膀胱結石の摘出手術も行なっています。
腹腔鏡手術ではお腹の傷が小さいので痛みが少なく、さらには膀胱の切開範囲も小さいので、術後の膀胱炎などの合併症も軽減できます。
そのため術後の回復が早く、通常は数日から1週間の入院が必要なところ、腹腔鏡を手術では半日~1日で退院することが可能です。
また開腹手術では細かい結石は見えず、取りきれないこともありますが、腹腔鏡手術では結石をカメラで拡大して観察し、一つずつ摘出するため、取り残しが少ないです。
(左)手術中の様子 (右)腹腔鏡の映像
実際の術後の傷口の様子

「膀胱結石を取り除いてあげたいけど、大きい傷ができてしまう手術はかわいそう・・・」といった不安を感じる飼い主様もいらっしゃると思います。
腹腔鏡を用いた膀胱結石摘出をご検討の場合、お気軽にご相談ください。

執筆担当:獣医師 三浦 篤史
東京都中野区江古田4-37-4 TEL:03-5942-5855
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